2013年11月4日月曜日

Faces of Jesus: Perspectives on Christology from the Global South

リージェント3年目の秋学期が始まってから早2カ月が過ぎました。この秋学期は夏からディスタンスコースで履修を続けている牧会倫理学に加え、旧約聖書学(IIIサムエル記)とキリスト論(演習)の合計3科目を受講しています。最初の2年間はMDiv(牧会修士)の必須科目を履修するので精一杯でしたが、3年目からは幅広い選択科目から将来の牧会に必要な科目を選んで勉強していくことが出来るので非常に楽しみです。

とりわけ今学期は特別にセミナー(演習)の授業を履修することにしました。演習は700番台のコースレベルに位置づけられていて、M.A.(文学修士)やTh.M(神学修士)の学生がそれぞれの専門分野を深めるための授業となります。今回、Diane Stinton先生の世界のキリスト論について一度勉強をしたかったので、学期前の抽選に応募したところ、運良く(いや、神さまの恵みにより)定員12名の枠に入ることが出来ました。このセミナー(演習)は英語名では「Seminar: Faces of Jesus: Perspectives on Christology from the Global South (演習:イェスの顔、西洋以外の世界から見たキリスト論)と言います。西洋以外のアフリカ・ラテンアメリカ・アジアのキリスト論について学ぶ授業で、全世界でイェス・キリストがどのように信仰されているのかを深く考察します。この授業の冒頭に担当教官が21世紀の世界におけるキリスト教が西洋を中心とした北半球から、アフリカ・ラテンアメリカ・アジアを中心とした南半球に中心を移してきていることを紹介してくださいました。例えばアフリカにおいては、1900年には1,000万人だったクリスチャン人口が2000年には約3.6億人に激増しています。そしてクリスチャンが増えている地域では、西洋(ヨーロッパや北アメリカ)から伝えられたキリスト教が各地域の文化や考え方に適用させている現実があります。もちろん、土着の宗教とキリスト教が混じってしまい習合する現象も起きていますが、うまく適用させているケースもあります。この授業では福音派神学の立場からそれらを評価し、理解を深めることを目的としています。

ちなみに授業の内容は以下のような感じで進んで行きます
1週目:イントロダクション
2週目:ラテンアメリカ
3週目:アフリカ
4週目:アジア
5週目:少数民族およびマイノリティ
6-9週目:学生による研究発表1(Research Paper)
 ※特定の地域を一つ選んで発表
10-11週目: 学生による研究発表2(Informal Christology)
 ※Paperとは異なる地域を一つ選んで発表
12週目:まとめ



なぜこの授業を履修したかったかというと、全世界に広がっているキリスト教の現実を知った上で、アジアという地域、とりわけ日本の現状について考察したいことと、世界の各地域に根差しているキリスト信仰から、将来日本での宣教をする上でのヒントや知恵を得たいという思いがあったからです。「イェス・キリストはご先祖様の兄弟(Brother Ancestor) or 元祖ご先祖様(Proto-Ancestor)」と位置付けるアフリカの一部のキリスト教諸派や、ラテンアメリカにおける聖霊派の急成長の土台となった「解放の神学」について考察することは非常にチャレンジングですが、自らの文化や育った背景と照らし合わせながら、考察を進めるのはとても良い訓練となっています。私個人のレポートの主題としては「日本のキリスト論」についてまとめる予定ですが、過去の歴史も辿りながら日本独自の仏教や神道から来る価値観をどのように理解するか、どうしたら習合(シンクレティズム)にならずに文化に適用させていくことができるか考察したいと思います。


















先日のハイキングで訪れたMunroLake(マンロー湖)の風景です





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