2015年7月6日月曜日

Ken Shigematsu先生 来日講演(東京・福岡・宮城・大阪)

神さまの不思議な導きにより、バンクーバーのTenth Churchの主任牧師である、Ken Shigematsu先生の「God In My Everything」の邦訳がいのちのことば社から出版されることになりました。ケン先生は留学1年目にTenth ChurchのKitsilanoキャンパスに出席させて頂いて関係で個人的なお交わりの機会を頂き、私がモデルとする牧師先生の一人です。留学2年目以降は教団教職を目指すためにバンクーバー日系人福音教会に移りましたが、その後も折々にTenth Churchの夕拝(3rd Service)に出席させて頂き、メッセージから励ましを頂きました。ケン先生は成長中の2000人教会の主任牧師ですが、先生がTenth Churchに赴任された頃(1996年当時)の教会は、教会の礼拝出席者が激減し、危機的状況を迎えている時で、「最後の牧師になるだろう」と言われていたそうです。しかも、日系カナダ人2世(生まれは日本)で人種的にもマイノリティであり、当時ケン先生は20代後半。周囲からのプレッシャーは相当なものだったと思います。しかし、先生の素晴らしい説教(聖書的かつ分かりやすく、心の奥底まで訴えかけてくる)とクリスチャン霊性に対する深い理解、そして謙遜なサーバントリーダーシップスタイルの牧会は、Tenth Churchをバンクーバー市内でも有数の規模を持つ、国際的な教会に成長する祝福を受けることとなりました。

牧会学修士プログラムの担当教官であるRoss Hastings教授からセントアンドリューズ時代の友人である横田法路先生の紹介を頂いたのが昨年の初め頃。そして昨年の7月に横田先生がサバティカルでリージェントのサマースクール(夏季講座)に来てくださった際にBruce Hindmarsh教授の「祈り~5つの伝統と実践」の授業でご一緒し、お交わりの機会を頂くことができたのは、本当に素晴らしい神さまの導きでした。ケン先生の「God In My Everything」はぜひ邦訳されたらいいなと思っていた本のうちの一つでしたが、今回、横田先生がケン先生の本を推薦してくださり、横田先生のご尽力とネットワークにより、こんなに早く日本語版が(しかもいのちのことば社から!)出るとは思いもよりませんでした。ケン先生の奥さまであり、一番の理解者である早基子夫人が翻訳を担当して下さっているのも心強いです。

本のターゲットは「忙しく働いているビジネスパーソン」であり、まさに日本の教会に必要とされている内容だと思います。クリスチャンの霊性について語るときに、「そもそも祈る時間がない」「次から次に仕事(や奉仕)があって、自分の信仰や心をゆっくり振り返る余裕がない」というのが社会人クリスチャンの反応だと思います。この本はクリスチャン生活の一つ一つの課題を取り扱いながら、どのように人生のルールを作ることができるか?について具体的に語っています。今後、日本でもこの本が大いに用いられることを期待しています。



(動画の日本語訳のサマリーです*若干意訳入っています)

東京の会社で働いていた時、私は「セブンイレブンマン」と呼ばれていました。朝7時に家を出て、11時過ぎに家に帰るという生活です。そしていつもジェットラグ(時差ボケ)のような状態でした。バンクーバーに移って牧師として働き始めても、私は同じようにとても忙しくしていました。ある時、私のメンターは古くから続く修道院を訪問する旅行に招待してくれました。古い修道院に訪問し、修道僧たちが単純な生活リズムを用いて、どのように毎日の生活において神を体験しているのか学びました。そして牧師の仕事に戻った時に、私は修道僧から学んだシンプルな習慣を使うようになりました。例えば、最も役に立つ簡単な実践は、ストレスを強く感じる時に、仕事を止め、目を閉じて、10分間黙想する。聖書を読み、創造(自然)の美しさを見る。さらに救い主であるイエス・キリストの隣在を覚える。立ち止まり、私自身を見つめ直し、もっとリラックスし、もっと感謝し、もっとイエスキリストの臨在を覚えるようにする。これらを通して、私たちは神さまとの深く、豊かな関係を築くことができます。私たちの生活の様々な場面において、どうやって神を楽しむかについて、私たちは古代のクリスチャンの知恵、霊性の達人たちを通して、学ぶことができるでしょう。この本は、とんでもなく忙しい私たちの生活の中で、どうやって私たちが神さまにある平安とその隣在を覚えることが出来るか教えてくれます。


毎年お正月に日本に帰省(帰国)されているケン先生ですが、東京以外の都市を講演という形で訪問するのはなかなか無い機会だと思います。東京は今週木曜日開催になりますが、福岡、宮城、大阪は週末から来週にかけての開催となります。ぜひこの機会にケン先生から『忙しい現代社会にあって「神」を喜びとする秘訣』について、クリスチャン霊性の伝統から直接学ばせて頂きたいと思います。(※)大阪会場はオアシス梅田店へのお申込みが必要となります。まだ空きがあるそうなので、ご都合つく方はぜひ!当日会場でお会いできるのを楽しみにしています。


いのちのことば社イベントページ
※イベントの詳細とチラシが掲載されています

■東京
2015年7月9日(木)
昼の部13:30~15:30(13:15開場)
夜の部18:30~20:30(18:15開場)
定員70名 要申込  入場無料
※席上献金あり
会場:お茶の水クリスチャンセンター
 5F 508号室
東京都千代田区神田駿河台2-1

■福岡
2015年7月10日(金)
14:00~16:00 (13:45 開場)
定員100名 入場無料 ※席上献金あり
会場:大名クロスガーデン
福岡市中央区大名1-12-17 TEL:092-985-1001

2015年7月12日(日)
14:00~16:00 (13:30 開場)
定員100名 入場無料 ※席上献金あり
会場:日本イエス・キリスト教団 
   福岡教会 油山シャロームチャペル
   福岡市城南区東油山6-15-9

■宮城
2015年7月14日(火)
10:00~12:00 (9:45開場)
定員80名 入場無料 ※席上献金あり
会場:塩釜聖書バプテスト教会
〒985-0831 宮城県多賀城市笠神2-11-45


■大阪
2015年7月15日(水)
14:30~16:30 (14:15 開場)
定員70名 要申込  入場無料
下記までご予約下さい※席上献金あり
会場:大阪クリスチャンセンター 2F
   多目的ホール
お問い合わせ・お申込み:オアシス梅田店 TEL.06-6344-3948 E-mail:osaka@wlpm.or.jp

2015年7月2日木曜日

リージェントカレッジ最終日

長らく本ブログへの投稿が出来ずじまいでしたが、2015年4月末に無事にリージェント・カレッジを卒業することが出来ました。最後の2学期は牧会学修士(Master of Divinity)と神学修士(Master of Theology)の両方を終わらせることになり、とんでもなく忙しい8ヵ月間となりました。特に最後の学期である冬学期は神学修士の演習と論文を終わらせる必要があり、ほぼ毎日図書館に通い詰めとなりました。担当教官であるDiane Stinton教授と約束していた期限の4月17日の朝に論文を提出し、最後の神学修士の演習授業を終えた時、4年間続いていた勉強のプレッシャーから解放され、「ああこれでやっと日本に帰れる」と思いました。同時に、カナダの素晴らしい大自然とバンクーバーという美しい都市、大好きだったリージェントカレッジのコミュニティやバンクーバー日系人福音教会の皆さんとお別れなんだと思うと、寂しい気持ちも出てきました。

最後の授業を終えてから、ボウエン島にあるリーベンデール・リトリートセンターにひとりで黙想の時間を持つために出かけました。4年間の疲れをゆっくり癒す時間を持ちましたが、もう一度、次のステップとなる霊的なテーマを聖書のみことばから頂くことが出来ました。

留学当初はビザを取るのに一苦労、そして授業についていくので必死でしたが、2年目、3年目と学びが深まるにつれて、福音の文脈化やWorld Christianityの学びに導かれました。最後の1年間はケニアでの研修や神学修士のプログラムを通して、一つのテーマ(Japanese Christology 日本のキリスト論)について探求する時間を持つことが出来ました。最初から最後まで全て神さまが導いて下さったリージェントカレッジでの時間を思う時に、学びについてはもう詰め込めないくらいおなか一杯の状況で、こうして牧会の現場に出ることが出来ることを感謝します。そして4年間祈りと献金をもって支えて下さった母教会や日系人教会の方々、家族と友人に心から感謝します。

「神はみこころのままに、あなたがたのうちに働いて志を立てさせ、事を行わせてくださるのです。」ピリピ人への手紙2章13節

4月30日、リージェントカレッジ最終日である卒業式でのサプライズは、まさかのWorld Christianity Prizeでした。World Christianityを専攻する学生数は聖書学や組織神学と比べると少ないので、神学修士プログラムのみのGPA(成績評価)で何とか引っかかったようです。全くの想定外でしたが、一緒にカナダに来て学びを献身的に支えてくれた妻はPrizeを心から喜んでくれました。


(卒業式でのJeffery Greenman学長との握手。この時、学長が言って下さった"I'm proud of you"の言葉を聞いた時、4年間の学びを思い出して感無量でした)

卒業後は大阪にある茨木聖書教会で伝道師として働くことになります。リージェントで学んだ福音の文脈化と霊性の神学をどのように現場の牧会、特に日本の教会に役立てていくかが大切になっていきます。正教師按手までの3年間、現場にてしっかりと訓練して行きたいと思います。具体的に教会では信徒向けの学びのプログラムの開発を担当することになりますが、リージェントで学んだことを棚卸しつつ、地域教会のクリスチャンの励ましとなるようなコンテンツを提供していきたいと考えています。本ブログでも引き続き、学びの内容を共有させて頂ければと思います。