2013年11月14日木曜日

英語が苦手でも海外の神学校に行けるのか(その2)

今からちょうど2年前のブログに英語の勉強についての記事を書かせて頂きましたが、もう少し詳しい話を出来たらと思い、前回の話題について少しアップデートをさせて頂きます。

ちなみに2010年4月から始めたTOEFLは18回受けることになりましたが、その詳細は以下の通りです。
















イフ外語学院のTOEFLコースを半年もすれば80点は超えるだろうという見積もりでしたが、リーディングがなかなか上がらずに60点後半をさまようことになり、途方にくれました。2/12に61点を取った時には、実はTOEFLの問題が根本的に読めていない、聴けていないということが分かり、抜本的な対策が必要となりました。その時に出会ったのがDeltaの教材とその教材を使ったWebラーニングでした。4分野あるTOEFLの勉強をすべて網羅的に対策を進めるのは非常に難しいので、まずリーディングで25点を超えることをめざし、その後にリスニングで25点を目指すことに決めました。2-3月まで単語の復習とリーディング対策、そして3-5月はリスニングの集中特訓を続けました。

リスニングは効果が出るまで本当に時間がかかる分野だと思います。シャドーイングが効果的だという意見もありますが、1.「完璧に100%シャドーイングする」のと2.「何となくシャドーイングできているつもり」の差は大きく、2を繰り返していてもなかなか伸びないのが現実だと思います。私の場合は「音声リピーティング」をひたすら1日3-4時間繰り返しました。

※「音声リピーティングの方法」
まず英語の本文と音声を用意します(私の場合はDeltaのテキストを使いました、オフィシャルガイドやBARRONSのテキストは実際の試験と比べても少し難易度が低いと思いました)
1.音声を聞いて、本文を見ながら1文ずつ正確な発音でリピーティングする
2.音声を聞いて、本文を見ることなく正確にリピーティングする
※最初は1文を丸ごとリピーティングするのは難しいと思います。
 正確にリピーティングできる文節数(3-4)に分けてリピーティングを繰り返します
3.意味や発音が不確かなところは本文を読んで確認する
これを1日3-4時間すると脳がくたくたになりますが、音声リピーティングを始めてから3ヵ月ほど経ったところで、TOEFLのリスニング問題が正確に解けるようになってきました。恐らく、いろいろな英語表現をキャッチできるレセプターが頭の中にできてきたのだと思います。
 
目標点数が90点だったので、スピーキングとライティングは最低限の対策しかせずに、目標まで到達しましたが(*2010年8月と2011年8月のライティングの点数は同じです)、もしこれが100点目標となると、スピーキングで23、ライティングで25以上を目指すことが必要になると思います。リージェントカレッジへは2011年9月入学が必須だったので、8月まで月2回ペースのTOEFL受験を続けることになりましたが、本来ならばもっと時間に余裕を持って3月くらいにはスコアを超えることが出来るようにしておくと、ビザの手続きも含め、十分な留学準備が出来ると思います。(ちなみにリージェント・カレッジの奨学金等の申し込みは9月入学の場合、2月あたりが締切なので、年内にTOEFLをクリアしておくと十分だと思います)
↓ 奨学金等の申し込み締め切りについての情報です
http://www.regent-college.edu/admissions-finance/financial-aid

2011年8月5日のテスト結果で90点を越えたときには、1年5ヶ月間続いたプレッシャーから開放され、心から主に感謝しました。この大変な勉強を祈りながら支えてくれた妻と家族、そして母教会のメンバーの方々にも本当に感謝します。その後、リージェントでの学びも途方もない勉強量に倒れそうになることが度々ありましたが、18回もTOEFLを受け続けた経験が、何とかぎりぎりのところで踏ん張れる力となっていると思います。

2013年11月4日月曜日

Faces of Jesus: Perspectives on Christology from the Global South

リージェント3年目の秋学期が始まってから早2カ月が過ぎました。この秋学期は夏からディスタンスコースで履修を続けている牧会倫理学に加え、旧約聖書学(IIIサムエル記)とキリスト論(演習)の合計3科目を受講しています。最初の2年間はMDiv(牧会修士)の必須科目を履修するので精一杯でしたが、3年目からは幅広い選択科目から将来の牧会に必要な科目を選んで勉強していくことが出来るので非常に楽しみです。

とりわけ今学期は特別にセミナー(演習)の授業を履修することにしました。演習は700番台のコースレベルに位置づけられていて、M.A.(文学修士)やTh.M(神学修士)の学生がそれぞれの専門分野を深めるための授業となります。今回、Diane Stinton先生の世界のキリスト論について一度勉強をしたかったので、学期前の抽選に応募したところ、運良く(いや、神さまの恵みにより)定員12名の枠に入ることが出来ました。このセミナー(演習)は英語名では「Seminar: Faces of Jesus: Perspectives on Christology from the Global South (演習:イェスの顔、西洋以外の世界から見たキリスト論)と言います。西洋以外のアフリカ・ラテンアメリカ・アジアのキリスト論について学ぶ授業で、全世界でイェス・キリストがどのように信仰されているのかを深く考察します。この授業の冒頭に担当教官が21世紀の世界におけるキリスト教が西洋を中心とした北半球から、アフリカ・ラテンアメリカ・アジアを中心とした南半球に中心を移してきていることを紹介してくださいました。例えばアフリカにおいては、1900年には1,000万人だったクリスチャン人口が2000年には約3.6億人に激増しています。そしてクリスチャンが増えている地域では、西洋(ヨーロッパや北アメリカ)から伝えられたキリスト教が各地域の文化や考え方に適用させている現実があります。もちろん、土着の宗教とキリスト教が混じってしまい習合する現象も起きていますが、うまく適用させているケースもあります。この授業では福音派神学の立場からそれらを評価し、理解を深めることを目的としています。

ちなみに授業の内容は以下のような感じで進んで行きます
1週目:イントロダクション
2週目:ラテンアメリカ
3週目:アフリカ
4週目:アジア
5週目:少数民族およびマイノリティ
6-9週目:学生による研究発表1(Research Paper)
 ※特定の地域を一つ選んで発表
10-11週目: 学生による研究発表2(Informal Christology)
 ※Paperとは異なる地域を一つ選んで発表
12週目:まとめ



なぜこの授業を履修したかったかというと、全世界に広がっているキリスト教の現実を知った上で、アジアという地域、とりわけ日本の現状について考察したいことと、世界の各地域に根差しているキリスト信仰から、将来日本での宣教をする上でのヒントや知恵を得たいという思いがあったからです。「イェス・キリストはご先祖様の兄弟(Brother Ancestor) or 元祖ご先祖様(Proto-Ancestor)」と位置付けるアフリカの一部のキリスト教諸派や、ラテンアメリカにおける聖霊派の急成長の土台となった「解放の神学」について考察することは非常にチャレンジングですが、自らの文化や育った背景と照らし合わせながら、考察を進めるのはとても良い訓練となっています。私個人のレポートの主題としては「日本のキリスト論」についてまとめる予定ですが、過去の歴史も辿りながら日本独自の仏教や神道から来る価値観をどのように理解するか、どうしたら習合(シンクレティズム)にならずに文化に適用させていくことができるか考察したいと思います。


















先日のハイキングで訪れたMunroLake(マンロー湖)の風景です